
ラジオ広告と併せると効果のある広告方法は?
広告戦略を立てるとき、ラジオだけで広告するのか、他の媒体も連動したキャンペーン展開にするかは、広告担当者が悩むポイントだと思います。他の媒体をまたいだクロスメディア戦略は、近年主流の広告戦略になってきており、言葉を聞いたことがある人も多いと思いますが、いくつもの組み合わせから自社に合った方法を選ぶことは簡単ではありませんよね。
ここでは、主要な媒体と連動キャンペーンの特徴をご紹介します。
もくじ
ラジオ単体で行うキャンペーン
放送費用、制作費用共に、比較的低予算からでも出稿することができるのが、ラジオ単体の強みです。音のみの表現になるため、シチュエーションやストーリー展開に様々なパターンがあり、プランナーの腕の見せ所となります。
また、番組を利用すれば、リスナーとの双方向コミュニケーションが取れることも、ラジオの強みです。生放送ではなく完パケ(収録したもの)であっても、お便りを募集し、発表することができますので、生放送にこだわる必要はありません。
さらにラジオ特有の強みは「炎上しにくいメディア」であることにあります。
これは、番組などで、タレントやアーティストが本音で話せる場としてラジオが浸透していることからなのかもしれませんが、ラジオでは少し過激な発言をしても炎上しにくいメディアと言われています。このことから、多くのリスナーが、ラジオから聞こえる情報やコメントを好意的に受け止めてくれているだろうという予測ができます。これらの特徴を活用して、生コマ、ショッピング、時報を展開すると効果的です。
また、クリエイティブではCM小説としてシリーズ化する方法や、歌モノなど、商品スペックの訴求だけでなく、商品を利用した場面を想定したものや、思わず口ずさんでしまいたくなるフレーズを織り込んだ素材が使われることも多くあります。
ラジオ×webサイト
スマートフォンの普及にともない、インターネットは現代人が一番よく接するメディアで、どの媒体を使ったキャンペーンでも併用されることが多いのがwebサイトです。
ラジオを聞いた人に合言葉を伝え、webサイトで入力してもうキャンペーンなどは、web連動でよく聞くキャンペーンだと思います。
ほかにも、ラジオ広告を聞いた人をLPに誘導し、尺に限りのあるラジオ広告の内容を補足したり、顧客の取りこぼしを防止するための使い方もあります。
後述するSNSとも通じる部分がありますが、「共感・共有」という点で、webとラジオは相性がよく、消費者参加型のキャンペーンなどでも大きな力を発揮します。
ラジオ×SNS
「ツイッターとラジオは似ている」という人もいるほど、共通点が多いのがSNSです。
リアルタイムという共通点から、連動した企画がよくあり、SNSから音楽のリクエストをしたり、日々のトークテーマに沿ったエピソードを投稿したりする方法は、どの放送局でも行っています。
生放送の場合は、リアルタイムに投稿に反応ができますので、リスナーとの交流を深めるキャンペーンをすることも可能です。
ラジオ×テレビ
マスの特徴とメリットを最大限に活かす組み合わせがラジオとテレビの併用です。
テレビとラジオではターゲットが異なるため、幅広く顧客を取り込めるほか、通勤時はラジオを聞き、家にいるときはテレビを見るというユーザーに対しては、1日を通してリーチができるので、お互いのコンバージョンを補足しあう効果も期待できます。
テレビで1度見た広告をラジオで聞くと、脳内で映像が保管されますので、広告の印象を強く残すことができ、その逆も然りです。そのため、単体で広告をするよりも早く、そして長く認知され続けることも期待できます。
ラジオ×紙媒体
ラジオには、ハガキでコメントや質問、キャンペーンへの応募を投稿する文化があります。そのため、申込用紙などを記入しポストへ投函することに対して、他の媒体より抵抗が少ないと言われており、紙媒体との相性も良好です。
インターネットが普及した今でも、番組の投稿にハガキを使う人は一定数おり、まだしばらくはなくならない方法です。
また、チラシなどの紙媒体は保存ができるので、手元に保存してもらい、CMで思い出してもらうという方法も効果的です。
集計を取ると、中には半年以上も前のチラシを保管してくれている人もいるほどで、チラシから成約に至る人は、ネット広告よりも断然成約率が高いのが特徴です。
ラジオ×交通広告
ラジオは移動中に聞くことも多い媒体です。交通広告と併せると、CMを聞いてから交通広告に触れるまでの時間が比較的短く、ユーザーの記憶に残りやすくなります。また、CMで聞いた商材やサービスを街中で見かけたときに、広告を読んでもらえる割合を高めることも期待できます。
ラジオ×イベント
「公開録音」や、「公開生放送」というイベントを聞いたことがありませんか?
ラジオと相性が良く、昔から多く用いられている方法がイベントです。
普段はラジオ越しにコミュニケーションをとっているパーソナリティとリスナーが、同じ場所に集まり、顔を合わせて一つのイベントに参加することで、リスナーとパーソナリティの間の信頼関係を深めることができます。
また、リアルタイムにリスナーの反応を見ながらその場でコメントを変えたり、リスナーを巻き込んで進行していきますので、一緒に番組を作っているという一体感も生まれます。番組やパーソナリティに対する関心や愛着が湧き、長く聞いてもらえるリスナーを育てるのも、こういったイベントの役割です。
広告主がスポンサードするイベントにも、パーソナリティを進行役として招き、イベントとラジオの一貫性を持たせることで、潜在顧客を確度の高い見込み客として取り込むことができます。
媒体をまたぐキャンペーンは、各媒体の表現を統一するべきか?
これまでは、同じキャッチコピー、同じタレントで表現を統一した方が効率がよいと言われてきましたが、近年では、接点によって表現は大きく変えるキャンペーンも見受けられます。
中には、キャッチコピーも変えているキャンペーンもあり、各媒体を通してひとつのコピーを浸透させる方法が必ずしも成功するとは限らなくなりました。
入り口は、各メディアのユーザー特性に合わせて、場合によっては大きく表現を変える必要もあります。
まとめ
かけ合わせる媒体 | 特徴 |
ラジオ単体 | ・低予算からでも参入可能 ・「音でどう表現するか?」アイデア次第で色々な広告を生み出すことができる ・ある程度の双方向コミュニケーションができる(全部ではない) ・細く長くのキャンペーンに向いている ・ラジオはなぜか炎上しにくいと言われている |
Webサイト | ・ラジオ広告の情報の補足ができる ・ラジオで認知を図り、webで顧客を獲得する方法もある ・「シェア」という共通点を活かし、消費者参加型のキャンペーンに強み |
SNS | ・「リアルタイム」「つながる」「シェア」など、ラジオとの共通点が多い ・音声コンテンツがふたたび注目を浴びる中で、SNSと両方向からのプロモーションにより、若年層の取り込みにも期待 |
テレビ | ・連動するというよりは、それぞれのユーザーを逃さない戦略が多い ・テレビ、ラジオの両方からCMが聞こえることで、抜群の信頼感が得られる ・サンデードライバーへの認知の強化に |
紙媒体 | ・尺が限られている電波媒体の情報を補足できる ・ラジオで認知を図り、紙媒体で顧客を獲得する方法もある ・ハガキ投稿の文化があるラジオリスナーは、高い反応が得られやすい |
交通広告 | ・「移動中」という属性のユーザーという共通点を活かす |
イベント | ・放送局が主催するイベントも数多くある ・パーソナリティとリスナーの信頼関係が深いので、潜在顧客を確度の高い見込み客として取り込みやすい |